
ケンタッキーフライドチキンでは、揚げ油に保存性の良いショートニングを使用してきました。しかしながら、ショートニングに含まれるトランス脂肪酸が心疾患のリスクを高めるとの声が高まり、2006年10月、米KFC社はトランス脂肪酸を含む食用油の使用を、北米にある同社の5500の店舗で07年4月までに停止すると発表しました。
2年間にわたり、フライドチキンやクリスピーチキンの味を変えないで、トランス脂肪酸を含まない油で出す方法をる研究したそうです。これは大げさな話ではなく、サクサクとした歯ごたえ、カリッとした食感、香ばしい匂いなどは、トランス脂肪酸を含むショートニングに負うところが大きいのです。
新しい油はトランス脂肪酸を一切含まない遺伝子組み換えの低リノール酸大豆油になるそうです。
なお、米国外での対応についてKFCは、同じ脂肪酸含有の調理油が使われているかどうかを明らかにしていません。
2002年6月、米KFC社は消費者団体によって訴訟を起こされています。同社はトランス脂肪酸を含む油の使用を止めるか、あるいは消費者に健康上のリスクを知らせる一文を挿入するべきだという訴訟でした。
マクドナルドは2002年9月に、2003年2月までに調理油の全てをトランス脂肪酸を含まない油に切り替える、と発表しました。しかし、そのスケジュール通りに作業は進まず、マクドナルドは訴訟を起こされています。この訴訟でマクドナルドは850万ドル(約10億円)の和解金を払いました。
米KFC社の今回の決断は、このような米社会の世論をにらんだものでしょう。おそらくコストアップやさまざまなオペレーション上の課題があるものと思われ、大豆油は米国外には展開できていない模様です。
日本ケンタッキー・フライド・チキン社によると、日本では米国の動きとは別に、06年よりトランス脂肪酸の少ない食用油の導入を進めています。日本マクドナルドがトランス脂肪酸に対して、まったく対応を取れていないことを考慮すれば、日本ケンタッキーFCの対応は進歩的なものです。ただ、それはトランス脂肪酸を一切含まない遺伝子組み換えの低リノール酸大豆油ではないのです。