
ニューヨーク市が全米のトランス脂肪酸量表示義務より一歩踏み込み、外食産業でのトランス脂肪酸使用禁止を打ち出したのは、2006年12月のことでした。この規制は2007年6月から施行されました。
このトランス脂肪酸の規制内容要は次のとおりです。
【対象】 ニューヨーク市内のレストランをはじめとする飲食サービス業者
【内容】 提供する食品にはショートニング・マーガリン等に由来するトランス脂肪酸が含まれてはならない
【表示義務】 顧客に提供する全メニューに、油脂・ショートニングの含有等について表示する
【業者の取組み】 1食あたりのトランス脂肪酸を0.5g未満にしなければならない(0表示が可能)
【除外規定】 製造業者が加工した食品を飲食サービス業者がそのままの状態で販売する場合
【実施時期】 2007年6月より揚げ物・炒めもの・スプレッドに使用する油脂・ショートニング・マーガリンが対象
2008年7月よりイースト菌などのパン生地やケーキ生地を揚げる油やショートニングも対象
トランス脂肪酸が多用されてきた理由は、安価で日持ちが良い(酸化しにくい)という特徴によるものです。加工食品やフライドポテトなどに広く利用されてきました。ファストフードにもトランス脂肪酸が多用され、1食分で10グラム以上のトランス脂肪酸が含まれるメニューも存在します。
今回のニューヨーク市のトランス脂肪酸規制の背景には、市民の食事由来による心臓疾患の増加に対するニューヨーク市の行政当局の懸念があります。トランス脂肪酸がトリガーとなりうる心臓病患者が同市で増加し、死因の40%に及んでいるようです。
一方、飲食店組合からは規制開始までの期間が短い、トランス脂肪酸を含まない食材への切り替えでコストが上がるとの反発が起きましたが、ニューヨーク市は規制を断行したのでした。シカゴでも同様の規制が検討されているといわれ、この動きは全米に広がりそうです。