
欧州ではデンマークのトランス脂肪酸規制が進んでいます。
デンマークでは、2004年1月から食品の製造・加工過程で生じたトランス脂肪酸については、消費者向けに販売される最終製品に含まれる油脂100gあたり2g未満とする制限が設けられています。
また、最終製品に含まれる油脂100gあたりのトランス脂肪酸含有量が1g未満の場合には、「トランス脂肪酸を含まない」と表示することができます。
対象は"製造・加工過程で生じたトランス脂肪酸"なので、動物脂肪等に含まれる天然のトランス脂肪酸はこの規制の適用対象外です。
なお、欧州のその他の国については、ドイツが腸の慢性炎症疾患のクローン病という難病とトランス脂肪酸との因果関係が証明されたため、トランス脂肪酸の販売を規制した、あるいはオランダがトランス脂肪酸を含む油脂製品を販売禁止にした、などの書込みがウェブ上に散見されますが、引用元が定かでなく、事実関係を確認できませんでした。
カナダでは2005年12月からの加工食品の栄養成分の表示義務化の中で、総脂肪、飽和脂肪酸、トランス脂肪酸、コレステロールを表示対象としています。米国と同じですね。
トランス脂肪酸は1食分当たり 0.2g未満の場合には、「Og」と表示できるとされています。これは米国の 0.5gより厳しいですね。
なお、中小製造業者は2007年12月まで猶予期間が設けられています。
WHO/FAO合同専門家会合は、2003年に生活習慣病の予防のための目標値を盛り込んだ報告書を公表しました。その中で、1日の総エネルギー摂取量に対する総脂肪・飽和脂肪酸・一価不飽和脂肪酸・多価不飽和脂肪酸・トランス脂肪酸からの摂取エネルギーの比率の目標が設定されています。
トランス脂肪酸については、心血管系を健康に保つため、食事からの摂取を極めて低く抑えるべきであり、最大でも1日当たりの総エネルギー摂取量の1%未満にすべきと述べています。
この国際機関の勧告を受けて、各国がトランス脂肪酸の規制に着手しているかといえば、法規制を整えたのは米国・デンマーク・カナダなどごくわずかな国々です。日本もトランス脂肪酸に対して表示義務も規制も加えていませんが、世界的な流れとしては日本は決して先進的ではありませんが、極端に遅れているともいえないようです。